近年、結婚式のあり方は大きく変化し、そのスタイルはますます多様化しています。大人数での披露宴だけでなく、家族だけで行うアットホームな食事会や、そもそも結婚式を挙げずに写真や映像だけを残すという選択をするカップルも増えています。そんな時代の中で、ウェディングビデオが果たす役割もまた、新たな局面を迎えています。
前回記事では最新のウェディングムービートレンドをご紹介しました。今回も、cEE編集部が宮路社長とビデオグラファーの下田にインタビュー。多様化する結婚式の形と、その中でウェディングビデオがどのように進化していくのか、「ムービー婚」の可能性について、深く掘り下げていきます。
「美しい映像を残す」も当たり前に?
「私の友人も、海外で家族だけで挙式をしていました。本当に近しい人たちだけで温かい時間を過ごしたい、というニーズは確実に増えていますね」(下田)
こうした流れの中で、「美しい写真で残したい」と考えるカップルが増え、フォトウェディングも定着しています。では、映像についてはどうでしょうか。
「写真と同様に、『美しい映像として残したい』というニーズも、今後ますます高まってくると考えています。動きや音、そして会話やメッセージが加わることで、写真だけでは伝えきれない、より豊かな感情やストーリーを記録することができますから」(宮路社長)
少人数結婚式の増加と、求められる映像コンテンツの変化
結婚式の小規模化は、映像コンテンツに求められるものにも変化をもたらしています。
「以前は、50人、60人といったゲストに見せるためのエンディングムービーや、結婚式全体の記録ビデオが主流でした。しかし、家族婚のような本当に少人数の場合、そういった従来のパッケージが必ずしも最適とは言えなくなってきています」(宮路社長)
例えば、10数名程度の食事会形式の結婚式では、大きなスクリーンで上映するエンディングムービーよりも、もっとパーソナルで、後から何度も見返したくなるような映像が求められるかもしれません。
「cEEでは現在、少人数結婚式に特化した新しい映像商品を開発中です。例えば、挙式と食事会の様子を撮影し、その日のうちにダイジェスト映像として編集。新郎新婦にはデータでお渡しし、もし二次会があれば、そのオープニングで友人たちにお披露目してもらう、といった形です。モニターがない会場でも、スマホやタブレットで手軽に感動を共有できます」(宮路社長)
このように、結婚式のスタイルに合わせて、映像のあり方も柔軟に進化していく必要があるとcEEは考えています。
cEEが描く、映像が主役のウェディング
さらにcEEが5年かけて温めてきた想いを、ついに形になります。「ムービー婚(ムビコン)」という新しいウェディングの形です。これは、ウェディングドレスやタキシード姿の新郎新婦を映画のようなクオリティの映像作品として残す、というもの。
前撮り映像と似ているように思えますが、ムービー婚は結婚式で上映することが前提ではありません。あくまで、おふたりのためだけの、特別な思い出の映像作品として制作されます。
「結婚式で流すオープニングムービーなどは、ゲストを盛り上げるために、ある程度派手な演出やテンポの良さが求められます。しかし、ムービー婚の場合は、もっとしっとりとした雰囲気で、おふたりの人生を振り返るような内容にすることも可能です。インタビューを交えたり、思い出の写真や動画を組み込んだりして、出会った頃の初々しい気持ちや、これまでの道のりを再確認できるような、そんな作品も素敵ですよね」(宮路社長)
最近では、コンセプトウェディングを手がけるプロデュース会社との協業も進んでおり、ムービー婚の実現に向けて具体的な動きも出てきていると言います。
「あるプロデュース会社の方から、『おふたりが出会ってから結婚に至るまでの馴れ初めを、再現ドラマのようなわざとらしさではなく、自然な形で描く映像は面白いかもしれない』というアイデアもいただきました。まさに、私たちが以前手掛けた“誠意と決意”のような作品ですね。これは、cEEが新しいトレンドを作れるかもしれない、とワクワクしています」(宮路社長)
トレンドを超えて。cEEがウェディングムービーで本当に大切にしていること
結婚式のスタイルがどのように変化しようとも、cEEが映像制作において大切にしている核の部分は変わりません。それは、技術や流行に流されることなく、おふたりの人生の物語、そしてそこに込められた想いを丁寧に描き出すことです。
「トレンドはもちろん意識しますが、それ以上に、おふたりにとって本当に価値のあるものは何か、ということを常に考えています。結婚式は、ある意味で人生のオールスターが集う場所。そこで交わされる言葉や表情、そして流れる涙には、計り知れないほどの重みがあります。それを余すところなく記録し、未来へと繋いでいく。それが私たちの使命だと考えています」(宮路社長)
どんな結婚のカタチにも、cEEは最高の映像で寄り添います
結婚式のあり方が多様化する今、ウェディングビデオの役割もまた、よりパーソナルで、より自由なものへと進化しています。映像が主役となる「ムービー婚」も選択肢の一つとして可能性があるかもしれません。
cEEは、そんな時代の変化を敏感に捉えながらも、常に新郎新婦の心に寄り添い、最高の技術と愛情をもって、かけがえのない瞬間を映像という名の宝物に変えていきます。