結婚式の準備、心躍りますよね。しかし、夢中で準備を進めるうちに、意外と後回しになりがちなのが「映像」のこと。
「まあ、プランに入っているものでいいか」
そう思っているなら、少しだけ待ってください。映像は、その日一日の感動を、色褪せない“作品”として未来に残す、何よりも大切なアイテムです。
今回は、数々の結婚式を手がけてきたcEEのプロビデオグラファー眞野が、「最初の式場打ち合わせ」でこれだけは聞いておきたい、という5つの質問を厳選して伝授します。この質問をするだけで、あなたの結婚式映像は、きっと何倍も素晴らしいものになるはずです。
質問1:「映像会社の方と、直接打ち合わせはできますか?」
眞野:
まず最初に、そして絶対に確認してほしいのがこれです。意外に思われるかもしれませんが、式場によっては、映像制作スタッフと新郎新婦が一度も顔を合わせることなく当日を迎えるケースも少なくないんです。
なぜこれが重要?
打ち合わせがないと、お二人がどんな想いで結婚式を迎えるのか、どんな映像を理想としているのかが、作り手に直接伝わりません。プランナーさんからの情報伝達だけでは、微妙なニュアンスや熱量はどうしても失われがち。結果として、「なんだか思っていた映像と違う…」というミスマッチが起こる原因になります。
直接話すことで、作り手の人柄や映像への情熱も分かります。「この人になら、安心して任せられる」という信頼関係を築くことが、最高の作品を生み出すための第一歩なのです。
質問2:「この会場で撮影されたサンプル映像を、いくつか見せてもらえますか?」
自分たちの“好き”を見つけることが、理想への近道
眞野:
「どんな映像になりますか?」と漠然と聞くよりも、「実際のサンプルを見せてください」とお願いするのが効果的です。できれば、1本だけでなく複数見せてもらいましょう。
なぜこれが重要?
サンプル映像は、その制作会社の「名刺」のようなもの。映像のテイスト(かっこいい系、感動系、ナチュラル系など)、クオリティ、編集のクセまで、多くの情報が詰まっています。
たくさんのサンプルを見ることで、「この会社のこの部分が好き」「こういう演出はあまり好みじゃないな」という、自分たちの好みを具体的に把握することができます。 その「好き・嫌い」を言語化してプランナーさんや映像スタッフに伝えるだけで、理想の映像にぐっと近づきます。
質問3:「カメラマンや編集者を指名することは可能ですか?」
眞野:
もし、サンプル映像を見て「この人の撮る映像が好き!」と感じたら、すかさずこの質問をしてみましょう。式場によっては、クリエイターの指名制度を設けている場合があります。
なぜこれが重要?
cEEのように、ビデオグラファーの個性を大切にしているチームでは、誰が撮るか、誰が編集するかで作品のテイストは大きく変わります。それはまるで、同じ食材を使ってもシェフによって全く違う料理が生まれるのと同じです。
「あなただから、お願いしたい」
その想いは、クリエイターにとって最高のモチベーションになります。指名制度がない場合でも、「〇〇さんのような雰囲気の映像が好きです」と伝えるだけでも、担当者はそのイメージを強く意識してくれるはずです。
質問4:「私たちの“こだわり”を伝える機会はありますか?」
眞野:
お二人が映像に込めたい想いや、大切にしたいシーンを、事前にしっかりと伝える機会があるかどうかも確認しましょう。
なぜこれが重要?
例えば、「おばあちゃんへの感謝を伝えたいので、手紙のシーンは特に大切に撮ってほしい」「二人の思い出の曲をBGMに使いたい」「ゲストが自然に楽しんでいるオフショットを多めに入れてほしい」など、お二人にしかない物語があるはずです。
私たち作り手は、そうしたお二人の“こだわり”や“わがまま”を聞けることを心待ちにしています。 それが、ありきたりの記録映像ではない、お二人だけのオリジナル作品を創るための、何より大切なヒントになるからです。どんな些細なことでも構いません。ぜひ、あなたの想いを聞かせてください。
【プロの裏技】質問5:「写真と映像のカメラマンは、いつも連携されているチームですか?」
眞野:
これは少し踏み込んだ質問ですが、実はとても重要なポイントです。当日の撮影は、写真のカメラマンと映像のビデオグラファーが連携して行います。この二人のチームワークが、現場の空気、ひいては作品のクオリティを大きく左右するのです。
なぜこれが重要?
仲が良く、連携の取れたチームは、お互いの次の動きを予測し、ベストな撮影ポジションを譲り合います。その場の雰囲気を和ませ、新郎新婦やゲストの自然な笑顔を引き出すのも上手です。結果として、写真も映像も、素晴らしいものになります。
逆に、連携が取れていないと、お互いが撮りたいものを主張し合い、現場がギスギスしてしまうことも…。
「写真と映像のチームワークはいかがですか?」
少し聞き方を変えて、こんなふうに質問してみるのも良いでしょう。この質問に、自信を持って「うちは最高のチームですよ!」と答えてくれる式場なら、より安心して当日を任せられるはずです。
まとめ
結婚式の映像は、ただ流れていく時間を記録するものではありません。その日の光、空気、笑顔、涙、そのすべてを編み込み、何度でも見返したくなる一つの“作品”です。
今回ご紹介した5つの質問は、お二人が理想の作品を手に入れるための、大切な羅針盤となります。ぜひ、次の打ち合わせで、勇気を出して聞いてみてください。その一言が、あなたの一生の宝物を、より輝かせることになるかもしれません。





